院長コラム

ついに来た!! 団塊世代の高齢化(65歳以上)

- 2016年04月30日 -

戦後の団塊世代が高齢者(65歳以上)に参入しました。さらに約数年後には、その方たちが基礎疾患を幾つも抱えた後期高齢者になります。今後医療費・介護給付費など社会保障関係の財源が膨大な額になるのは確実です。現在でさえ赤字国債に財源の半分以上を依存している状態ですから、国家財政自体が10年以内に破綻する可能性は限りなく高いと考えていいかと思います。(診療報酬のUPどころではありません)

厚労省は急膨張を続ける社会保障関係予算(年金・医療・介護その他福祉関係)を何とか補いまた抑えるために「税と社会保障の一体改革」を提唱し、国会で活発に議論されていますが、多分に政局含みのため結果がどうなるか全く予断を許しません。

この様な現状や将来像に対し我々歯科関係者がどの様な手を打てるか、そして 国家・国民のためにどの様な戦略・戦術を実行して行ったらよいのか? 色々と考えられますが、最も効果的で比較的すぐに事業として行えるのが「在宅歯科医療推進」による高齢者に対する介護予防であり、治療や口腔ケアであると考えられます。これにより肺炎になると一人当たり200万円位かかる医療・介護費用を抑えることが出来、社会保障関係財源の伸びを抑えることにも繋げられます。

またもう一つ厚労省が強く打ち出していくのが「地域包括ケアシステムの構築」です。

将来高齢者が集中すると予測されている大都市圏では、介護施設を建設する予算や土地を確保するのが困難です。従って厚労省は「施設・病院から在宅での介護・医療へ」という将来に向けた医療介護システムの転換策としての構築を企図しています。

具体的には、以下の4点が要点です。
 ①在宅歯科医療の推進
 ②地域包括ケアシステムの構築
 ③病診連携の推進(周術期の口腔機能管理)
 ④介護施設での口腔ケアの推進(口腔衛生管理(体制)加算など)
があげられます。

この4項目のどれもが「歯科訪問診療」を必要としています。

しかし、実施する歯科医療機関はなかなか増加せず、また真に役に立つ知識・技能を持ち合わせた歯科医師も増加するどころか、むしろ逓減しているのが現状です。在宅医療を専門に行う医療機関の開設(診療所を持たない)を認めるなど体制が変化してきていますが、本来かかりつけ歯科医院が、一生を患者の口腔機能、健康管理のために尽くすのが役目だと思います。まだまだ努力している歯科医師会員は数えるほどしかおりません。

この様な状態を少しでも改善するために、厚労省は「在宅療養支援歯科診療所(略称:歯援診)」また、「かかりつけ歯科医機能強化型歯科医院」等の施設基準を設けました。そして施設基準を取得するといくつかの特典が得られるようにしました。資料①に記載しました。

 

 

横浜市歯科医師会・《訪問診療・地域包括ケア》連携対策部
雨宮 和則

介護保険と医療保険の現状についての所感

- 2012年04月29日 -

私は歯科医師として医療に携わると同時に、介護保険発足当時から横浜市の福祉拠点「横浜市地域ケアプラザ」に介護職(非常勤ケアマネジャー)、また専属歯科医師として関わってきました。

介護認定審査会の審査員も当初より務めています。

私の診療所では在宅歯科診療も行っているため、地域で介護事業や在宅医療に関係している様々な職種の方達と交流してきました。

そのため、介護現場での職務が体力・精神的に、また経済的な面でいかに過酷であり大変な状況にあるか熟知しております。

この様な状況がこのまま続くと、介護を担う人材は減少し、少子高齢化による「生産年齢人口の減少」「要介護高齢者」の急増により介護難民の発生が予測されます。

それは取りも直さず日本の社会福祉体制の崩壊へと繋がることになると予測されます。

国民が安心して老後の生活を営めることは、憲法25条にも記載されておりますが国家の政治を担う政権与党の義務でもあります。

なぜ、このような事態になってしまっているかには、「自民党政権の怠慢」など様々な理由がありますが、第一は現場の実態を身をもって経験したことのない官僚や大学教授、各種職域団体の役員等が審議会委員等を構成し、現場ではとても通用しない「教科書どおりの内容を希望的観測で塗り固めた」ような事業計画を作成しているからだと考えています。

我々介護職の間では「厚労省の政策は戦略あって戦術なし、まるで帝国陸軍参謀本部立案の作戦計画と同じだ、負けるに決まっている、絵に描いた餅だ」などと言っております。

しかし、国民にとって最も関心の高い「社会福祉政策」が「負けるような状態」になってしまっては国の将来にとって大変な事態になってしまいます。

今必要なのは現場で汗水をたらし必死に業務に励んでいる介護や医療現場の人々の声に耳を貸し、現場で実施可能で効果のある、「無駄のない事業計画」を作成することであると考えます。

介護保険の新予防給付や地域支援事業など、2006年の介護保険大改正時に導入された、いわゆる「介護予防事業」は現在完全に「負け」の状態にあります。

無駄が多く対象者も上げられないような事業(人口360万人の横浜市では、栄養改善・口腔ケア事業は年間300人程度に実施されているにすぎません。)に多額の税金がつぎ込まれています。

その実態を介護職の方達は分かっていますが声がなかなか行政に届きません。

と言うより、行政側は効果はどうでもよく、決められた額の予算を消化すればよいという態度であり、事業の普及にとても努力しているようには私には思えません。

いわゆる「官僚主義」に支配されているからだと思います。

介護や医療の世界では、「無駄」はまだまだ沢山存在します。

各種事業内容を現場の声をもとに検証して、事業の見直し、修正を行う余地はかなりあります。

私は、そのような無駄をなくし、現場の職員達に過度の負担を負わせることなく、効率の良い事業を介護や医療の分野で普及展開させていくための案や方法などを今まで考えてきました。

医療や介護関係の雑誌にも発表しております。

また、年間に20回程度、医療や介護職、高齢者団体向け講習会の講師を依頼されますが、極めて狭い地域での私の活動くらいではとても現状は修正できないと落胆しているのが現状です。

政権が交代し、「無駄を省き国民が真に必要としている政策を実行していく」という民主党の基本政策に大変期待していましたが、様々な事情により雲行きはだんだんと怪しくなって来ています。

今、将来の「少子高齢化」に対しての政策を中長期的に策定し実行していかないと、日本の将来は暗澹たるものになってしまうと大変危惧しています。

平成24年度の医療介護同時改定は評価できると考えておりますが、はたして現場で実施できるかどうかはかなり?だと思います。

それでも、地域での医療介護職の連携を少しでも充実させ、地域包括システムの実現に向けて活動してみようと思っています。

コラムをお読みの方々も、2025年問題(戦後の団塊世代が75歳に達する時期)を 見据え、介護、医療、福祉体制の充実に向け頑張って下さい。

『文書作成義務の削減』について

- 2010年07月27日 -

7月11日に参議院選挙が行われ民主党が大敗しました。1番の敗因は、菅総理の「消費税発言」とも言われています。
しかし、選挙後の世論調査でも約6割の国民が「引き上げはやむなし」と回答しています。 国家の財政状況を考えると、消費税の引き上げはある程度は仕方がないと言えるかもしれません。 民主党は昨年の総選挙以降、税金の無駄遣いを減らすために「仕分け事業」を行ってきました。でもまだまだ無駄は沢山出てきそうです。

「無駄」というと私たちはすぐ税金や補助金を連想します。つまり予算(金銭)面での無駄に目が行きがちです。しかし、無駄は金銭的なものだけではありません。
介護や医療の世界に目を向けると、「大量の文書作成義務」がどれほどの無駄を生じているか実感します。

数年来私は、「文書作成」にどれだけ多量な時間・労働力が払われてきているか指摘してきました。
厚労省も今年度になって、金銭報酬面だけではなく、文書作成量を減らすことが、介護職の過重労働や人離れへの対策であるということを重視するようになり、この7月から順次文書作成義務を削減していくことになったようです。

私たち、介護・医療分野関係者にとっては大きな朗報です。
出来れば、諮問委員会の大学教授や団体役員達には任せずに、現場で「汗水たらして 過重な労働に従事している」現場の方々の意見を重視して行って欲しいと思います。民主党なら何とか実行してくれそうですが、長妻大臣には「現場重視」の視 点で実行して頂くことを期待しています。

『医療・介護分野での人材不足と文書作成義務』について

- 2007年09月09日 -

ここ数年、特に地方での「医師不足」が問題になっています。
医師たちは都会での勤務を選択し、
勤務状態の厳しい地方へはなかなか行きません。

厚労省や文科省は、「医師の増員」「卒業後のへき地勤務を前提にした学生募集」など幾つもの解決策を掲げていますが、 それで理想的な体制が構築できるか、と言うと私は「?」が付くと思っています。
地方の医師たちは、休暇や、場合によっては睡眠も十分に取れないような過酷な勤務状態になぜ陥ってしまっているのでしょうか?

その一つの原因に、「診療内容に関する多量の文書作成が義務付けられている」ことがある事を、ご存じの方たちはあまりいないと思います。
カルテを患者さんや他人が見て分かり易いように、きれいに整理して記述していくだけでも大変な仕事量ですが、それに加えて、現在の診療報酬要件では毎日何十枚もの「情報提供文書」を作成しなければならないのです。
地方の病院・診療所では、都会に比べ医師一人当たりが担当する患者数が多いため、ますます仕事量が増えることになってしまう訳です。

患者さんを診察する時間よりも、「文書を作成するための時間」の方が多いようでは、多数の患者さんを効率よく診療していくことは不可能です。
実はこのような事態は、医科だけではなく、歯科や介護の分野でも生じています。特に介護分野では、給与や勤務体制にも原因があり「人材不足」が深刻化しています。

書類作成業務はあくまで必要最低限に抑え、医療や介護の実務に時間やエネルギーを確保できる体制に早く方向転換しないと、少子高齢化が急激に進む中での「人材確保」はますます困難になり、「国民のための医療・介護」体制は崩壊しかねないと私は思っています。

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