お知らせ

介護保険と医療保険の現状についての所感

- 2012年04月29日 -

私は歯科医師として医療に携わると同時に、介護保険発足当時から横浜市の福祉拠点「横浜市地域ケアプラザ」に介護職(非常勤ケアマネジャー)、また専属歯科医師として関わってきました。

介護認定審査会の審査員も当初より務めています。

私の診療所では在宅歯科診療も行っているため、地域で介護事業や在宅医療に関係している様々な職種の方達と交流してきました。

そのため、介護現場での職務が体力・精神的に、また経済的な面でいかに過酷であり大変な状況にあるか熟知しております。

この様な状況がこのまま続くと、介護を担う人材は減少し、少子高齢化による「生産年齢人口の減少」「要介護高齢者」の急増により介護難民の発生が予測されます。

それは取りも直さず日本の社会福祉体制の崩壊へと繋がることになると予測されます。

国民が安心して老後の生活を営めることは、憲法25条にも記載されておりますが国家の政治を担う政権与党の義務でもあります。

なぜ、このような事態になってしまっているかには、「自民党政権の怠慢」など様々な理由がありますが、第一は現場の実態を身をもって経験したことのない官僚や大学教授、各種職域団体の役員等が審議会委員等を構成し、現場ではとても通用しない「教科書どおりの内容を希望的観測で塗り固めた」ような事業計画を作成しているからだと考えています。

我々介護職の間では「厚労省の政策は戦略あって戦術なし、まるで帝国陸軍参謀本部立案の作戦計画と同じだ、負けるに決まっている、絵に描いた餅だ」などと言っております。

しかし、国民にとって最も関心の高い「社会福祉政策」が「負けるような状態」になってしまっては国の将来にとって大変な事態になってしまいます。

今必要なのは現場で汗水をたらし必死に業務に励んでいる介護や医療現場の人々の声に耳を貸し、現場で実施可能で効果のある、「無駄のない事業計画」を作成することであると考えます。

介護保険の新予防給付や地域支援事業など、2006年の介護保険大改正時に導入された、いわゆる「介護予防事業」は現在完全に「負け」の状態にあります。

無駄が多く対象者も上げられないような事業(人口360万人の横浜市では、栄養改善・口腔ケア事業は年間300人程度に実施されているにすぎません。)に多額の税金がつぎ込まれています。

その実態を介護職の方達は分かっていますが声がなかなか行政に届きません。

と言うより、行政側は効果はどうでもよく、決められた額の予算を消化すればよいという態度であり、事業の普及にとても努力しているようには私には思えません。

いわゆる「官僚主義」に支配されているからだと思います。

介護や医療の世界では、「無駄」はまだまだ沢山存在します。

各種事業内容を現場の声をもとに検証して、事業の見直し、修正を行う余地はかなりあります。

私は、そのような無駄をなくし、現場の職員達に過度の負担を負わせることなく、効率の良い事業を介護や医療の分野で普及展開させていくための案や方法などを今まで考えてきました。

医療や介護関係の雑誌にも発表しております。

また、年間に20回程度、医療や介護職、高齢者団体向け講習会の講師を依頼されますが、極めて狭い地域での私の活動くらいではとても現状は修正できないと落胆しているのが現状です。

政権が交代し、「無駄を省き国民が真に必要としている政策を実行していく」という民主党の基本政策に大変期待していましたが、様々な事情により雲行きはだんだんと怪しくなって来ています。

今、将来の「少子高齢化」に対しての政策を中長期的に策定し実行していかないと、日本の将来は暗澹たるものになってしまうと大変危惧しています。

平成24年度の医療介護同時改定は評価できると考えておりますが、はたして現場で実施できるかどうかはかなり?だと思います。

それでも、地域での医療介護職の連携を少しでも充実させ、地域包括システムの実現に向けて活動してみようと思っています。

コラムをお読みの方々も、2025年問題(戦後の団塊世代が75歳に達する時期)を 見据え、介護、医療、福祉体制の充実に向け頑張って下さい。

院長コラム

訪問診療のご案内

介護医療情報コーナー 口腔ケア情報 歯科訪問診療情報

医院情報 雨宮歯科医院
〒221-0862 横浜市神奈川区三枚町244 エステート1(2F)
TEL: 045-474-3355

ページの先頭へ